ベトナムとの出会いが人生を変えた
この国の溢れる魅力を多くの人に届けたい
グエン・ティ・ビック・ハー さん
ウォーキングハノイ・
ダナン・ベトナム/運営

嶋崎 豊(しまざき ゆたか)

グルメやショッピング、観光スポットなど、ベトナムの多彩な情報を網羅する観光情報まとめサイト「ウォーキングハノイ/Walking Hanoi」。姉妹サイトの「ウォーキングダナン/Walking Danang」や生活情報誌「ウォーキングベトナム/Walking Vietnam」など、各媒体を通じ現地の魅力を余すところなく伝え続ける嶋崎豊さんは、「ベトナムは第2の故郷」と語る。心からベトナムを愛して止まない彼に、その魅力と想いを伺った。

駐在をきっかけに開設した現地情報媒体
多彩な魅力を伝えるべく街を駆ける

ウェブサイトでコラムを執筆するなど、ハノイ観光業界の人気キャラクター「人生ユタカ」の名でも知られる嶋崎さんが、ベトナム暮らしを始めたのは2016年のこと。オフショア開発やウェブ制作を行う現地日系企業へ駐在員としての赴任だった。そんな折、ベトナムを出張で訪れた親会社の副社長が自社メディアの設立を提案。同社は日本でホテルなど観光業に特化したウェブマーケティングを得意としていたこともあり、ハノイを中心とした観光情報サイト「ウォーキングハノイ」を立ち上げることとなった。
「当時のハノイには、オリジナルコンテンツで観光情報をしっかりと伝えるウェブサイトがほとんどありませんでした。そこで、自社で取材を行うオウンドメディアを作ると面白いものができるのでは、とのアイデアがきっかけでした」
今でこそ専門の編集部員を抱えているが、当初は制作スタッフの数も十分ではなかった。そのため、土曜や日曜などの空いた時間を使い、自ら取材に出かけ記事を制作した。とはいえ、街を移動するにもグラブなど便利な交通機関はまだない。都度バイクタクシーと交渉し、街を駆けまわり情報を集めた。
「もともと情報ソースが少ないこともありますが、やはり実際に足を運び確かめることが大切。取材は英語やジェスチャーを駆使しながら行いますが、どの店もとても親切に対応してくれ、毎回本当に助けられています」
地道に記事を積み重ねた甲斐もあり、年々「ウォーキングハノイ」の認知度は上昇している。嶋崎さん扮する媒体のオリジナルキャラクター「人生ユタカ」も周知され、時には街で握手や写真撮影を求められるようにもなった。
「『こんな情報が知りたい』など、読者の方々からフィードバックをいただき、それらを元に取材を進めることもあります。媒体を立ち上げから7年。制作過程では内容確認やテキスト校正など苦労することも多々ありますが、多くの人に親しまれる媒体になりとても嬉しく思っています」

 

 

ベトナムの優しさに触れ大好きな国に
人生のチャンスもこの国が与えてくれた

現在の会社に就職する以前、嶋崎さんは1年をかけバックパッカーとして世界を周遊したことがある。その際にハノイも訪れたが、社会主義国というイメージにどこか怖さを覚え、さほど街を巡ることなく旧市街に籠もっていたという。
「当時はまさかベトナムで仕事をすることになるとは想像していませんでした。しかし、いざ始めてみると思っていた以上にベトナムは優しかった。治安が良く、食べ物も美味しい。今思うと、ハノイの良さを何も体験することがなく、勿体ない時間を過ごしていました」
会社の業務としての渡越だったが、今ではこの国との出会いに感謝している。また、同じ情報発信でも飽和状態の日本やタイ、中国などでは状況が違ったかもしれない。急成長中のベトナムだからこそ、今の自分があるという。
「海外を巡る中で、いつか海外で暮らしてみたいと思っていましたが、そのチャンスを与えてくれた会社には本当に感謝しています。また、何よりベトナムという国がなければ今の生活もありませんでした。この国にはまだ参入できる市場が残っており、情報発信もベトナムだからこそできた。人生を大きく変えてくれたこの国は、まさに第2の故郷のように感じています」

全土の観光情報提供を通じ
ベトナムと関わる日本人を増やしたい

ハノイを拠点に発信を続ける「ウォーキング・ハノイ」だが、近年は姉妹媒体も用いて全国の情報も取り扱う。ハノイはもとよりフエ、ダナン、ホーチミン市など、ベトナム全土の観光情報に今後は力を入れる予定だ。
「コロナにより大きな影響を受けた観光業界ですが、2023年から徐々に活気を取り戻してきています。SNSを通じた問い合わせも増えていて、中にはベトナムでのビジネスを模索する学生や旅行者からぜひお会いしたいと連絡を受けることもあります」
旅行であれビジネスであれ、ベトナムに関わる全ての人の役に立てることが嬉しいと話す嶋崎さん。
「他国と比べてもインフラ、経済、食、住環境、ビザなど、あらゆる面でベトナムは環境が整っています。文化的にも日本と近く、初のアジア旅行や海外移住にも最適な国だと思います。だからこそ、私達の活動をきっかけにベトナムを旅行したり、現地を拠点に活動したりする人がコロナ前と同等、それ以上に増えてもらえればと願っています」

 

1986年東京生まれ。バックパッカーとして世界32ヶ国を周遊した後、2016年より在ハノイのウェブ制作会社「アビリブ」でオフショア開発業務に携わる。同年末に旅行情報まとめサイト「ウォーキングハノイ」を開設。オリジナルキャラクター「人生ユタカ」として複数のウェブサイトや紙媒体の運営も手がけている。

 

取材・文/杉田憲昭(Grafica Co.,Ltd.)
ベトナム語翻訳/Lưu Bích Dung
編集/Sketch Co.,Ltd.